本来、座っている時や寝ている時は、体重が一か所に集中し過ぎないことが理想です。しかし、デスクワークやスマホを見る時間が長くなったり、ソファにもたれる姿勢が続いたりすると、知らないうちに骨盤が後ろへ倒れ、仙骨に体重を預ける姿勢がクセになってしまいます。
最初はその姿勢の方が楽に感じるかもしれません。
ですが、その状態が何十分、何時間と続くことで、腰の筋肉は引き伸ばされたまま緊張し続け、骨盤周囲の組織も動きが少なくなってしまいます。
その結果、長時間座った後に立ち上がる時の腰痛や、朝起きた時の腰の重だるさにつながってしまうことがあります。
また、仰向けで寝ている時も同じです。一見リラックスして寝ているようでも、仙骨にばかり体重が集中している状態では、腰まわりの組織は十分に休めていません。
寝返りが少ない方ほど、この状態が続きやすく、朝起きた時に「腰が固まっている」「動き始めが痛い」という症状が出やすくなります。
そこで大切になるのが、仙骨周囲に刺激を入れて、動きを取り戻してあげることです。ずっと同じ場所に体重がかかっている部分は、組織同士の滑り(滑走)が悪くなり、血流も低下しやすくなります。
そのため、まずは刺激を入れて、「ここは動いていい場所なんだ」と体に教えてあげることが大切です。
ご自宅でも簡単にできる方法があります。
① 仰向けで両膝を立てます。
② お尻を左右へゆっくりグリグリと動かします。
床やベッドに対して、お尻を左右にこするようなイメージです。
30秒〜1分ほど続けるだけでも、仙骨周囲に刺激が入り、硬くなっていた組織が少しずつ動きやすくなります。
③ その後に座り直し、骨盤の後ろにもたれていないか確認してみましょう。
刺激を入れた後は、体が姿勢を修正しやすい状態になっています。「あ、いつもより骨盤が立てやすいな。」そんな変化を感じられる方も少なくありません。
もちろん、骨盤や仙骨の細かな向きや動きは、一人ひとり違います。セルフケアだけでは難しい部分もありますので、1週間ほど続けても変化が少ない場合や、腰の重さ・痛みがなかなか改善しない場合は、専門家に相談することもおすすめです。
反対に、比較的軽い腰痛であれば、このような骨盤への刺激を毎日続けるだけで変化が出る方も多くいらっしゃいます。腰が痛いからといって、腰だけを揉んだりストレッチしたりするだけでは、一時的に楽になることはあっても、根本的な姿勢のクセまでは変わらないことがあります。
だからこそ、「どこに体重を乗せて生活しているのか」という視点を持つことがとても大切です。
朝起きた時の腰痛や、座った後の立ち上がりで痛みがある方は、ぜひ一度、ご自身の骨盤の位置を意識してみてください。小さな刺激の積み重ねが、腰への負担を減らし、毎日の動きを楽にするきっかけになるかもしれません。