夜中に目が覚めるのは歳のせい?中途覚醒と深い睡眠の関係
こんにちは。整体院しん院長の今井です。
「夜中に何度も目が覚める」「一度起きると、なかなか眠れない」「昔は朝まで眠れていたのに、最近は途中で起きることが増えた」
このような中途覚醒に悩んでいる方は少なくありません。
睡眠は、年齢とともに少しずつ変化します。
私たちの睡眠には、大きく分けて「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。ノンレム睡眠には浅い段階から深い段階まであり、その中でも特に深い睡眠を専門的には「N3」と呼びます。
今回は難しく考えず、「脳も身体もしっかり休む深い睡眠」と考えてみてください。
若い頃は、脳のたくさんの神経細胞がまとまって活動したり休んだりすることで、大きくゆっくりしたリズムを作ることができます。
この神経活動のまとまりが、深い睡眠を作るために重要です。
ところが年齢を重ねると、神経細胞同士のつながりや同期性が少しずつ変化していきます。
その結果、若い頃に比べて深い睡眠が減り、浅い睡眠の割合が増えやすくなります。
つまり、年齢とともに、
「まったく眠れなくなる」
というより、
「眠っていても、途中で目を覚ましやすい状態になっていく」
と考えると分かりやすいと思います。
ただし、だからといって「歳だから仕方ない」で終わる必要はありません。
睡眠は、夜だけで決まるものではないからです。
深い睡眠には、日中にどれだけ身体や脳を使ったかも関係します。
日中に身体を動かし、活動し、しっかり覚醒して過ごすことで、夜になると「今度は休もう」という睡眠への力が高まっていきます。
ここで問題になるのが、身体の不調です。
例えば首や肩が重い、腰が気になる、身体を動かすと違和感がある。
こうした状態が続くと、
「今日は動かないでおこう」
「外に出るのが面倒だな」
「首を動かすと気になるから、なるべく動かさないでおこう」
と、知らないうちに身体を使う量が減っていきます。
その結果、
身体の不調
↓
動く量が減る
↓
日中の活動量が下がる
↓
昼と夜のメリハリが弱くなる
という流れが起こることがあります。
ここで大切なのは、
「首が悪いから直接不眠になる」
と考えることではありません。
身体の不快感があることで行動そのものが減り、その状態が続くことで、夜の睡眠にも影響しやすくなるという考え方です。
そして身体の不調は、もう一つ別の形でも睡眠に影響する可能性があります。
それが、寝ている最中に身体から入ってくる不快な感覚です。
例えば、
「枕の高さがしっくりこない」
「首がどこに置いてもしっくりこない」
「肩がつっぱる」
「腰が落ち着かない」
「寝返りのたびに身体が気になる」
こうした状態です。
私たちは眠っている間も、身体からの感覚入力が完全になくなるわけではありません。
首や肩、背中、関節、皮膚などからの情報は、眠っている間も脳に入っています。
深い睡眠がしっかり取れていると、小さな刺激では目が覚めにくいのですが、もともと睡眠が浅くなっている状態では、わずかな不快感でも覚醒につながりやすくなることがあります。
つまり、
深い睡眠が減る
+
身体から不快な感覚が入り続ける
⇩
夜中に目が覚めやすくなる
という見方もできます。
呼吸についても同じです。
例えば寝る姿勢が合っていなかったり、首や胸まわりが緊張していたりすると、
「呼吸がしづらい」
「胸が広がりにくい」
「なんとなく落ち着かない」
と感じる方もいます。
もちろん、呼吸が浅いから必ず中途覚醒するという意味ではありません。
ただ、身体が十分に休める姿勢や呼吸になっているかという視点は、睡眠を考えるうえで大切です。
身体は布団の上にあるけれど、
首が緊張している。
肩が力んでいる。
呼吸が浅い。
どこか身体が落ち着かない。
この状態では、脳にとっては「完全に休んでいい状態」とは言いにくい場合があります。
そして現代では、身体だけでなく頭の中が休めていないケースも増えています。
仕事、家族、人間関係、ニュース、SNS、スマートフォン。
身体は布団に入っているのに、
「明日は何をしよう」
「あれをやっておかないと」
「さっき見た情報が気になる」
と頭の中だけが動き続けている。
このような状態では、身体を休ませようとしても、脳の覚醒状態が十分に下がりにくくなります。
一度寝つけても、睡眠が浅くなったタイミングでまた考え事が始まり、
「夜中に目が覚めて、そこから眠れない」
ということにつながる場合もあります。
では、どうすればよいのでしょうか。
まず一つ目は、日中に身体を動かすことです。
激しい運動をする必要はありません。
散歩する、買い物に歩いて行く、階段を使う、首や肩をゆっくり動かす。
身体に不調がある人ほど、「動かない」という選択が増えやすくなります。
無理をする必要はありませんが、できる範囲で身体を使い、昼は活動、夜は休息というメリハリを作ることが大切です。
二つ目は、寝るときに身体が本当に休める状態になっているか確認することです。
枕の高さが合っているか。
首や肩に余計な力が入っていないか。
呼吸が苦しくないか。
身体のどこかに「気になる」「落ち着かない」という感覚がないか。
寝具を完璧にする必要はありません。
ただ、毎晩同じ場所が気になるのであれば、それは身体からの一つのサインかもしれません。
三つ目は、寝る前に頭に入れる情報を減らすことです。
スマートフォンだけが問題なのではありません。
仕事、調べもの、考え事、SNSなど、脳を活動させるものを少しずつ減らしていく。
眠る前に、頭の中も「昼」から「夜」に切り替える時間を作ることが大切です。
そしてもう一つおすすめなのが入浴です。
人は眠りに入るとき、身体の内部の温度である「深部体温」が少しずつ下がっていきます。
そのため、眠る少し前にお風呂で一度身体を温め、その後ゆっくり熱を逃がしていくことで、睡眠に入りやすい状態を作ることができます。
目安としては、就寝の1〜2時間前。
「寝る直前に熱いお風呂に入る」というより、
一度身体を温めて、その後ゆっくり体温を下げていく
というイメージです。
年齢とともに深い睡眠が減りやすくなること自体は、ある程度自然な変化です。
ただ、その上に、
日中の活動不足
身体の不快感
寝ているときの感覚入力
浅い呼吸や身体の緊張
頭の情報過多
が重なることで、さらに睡眠が浅くなっている場合があります。
だから中途覚醒を考えるときは、
「夜中に目が覚める」という現象だけを見るのではなく、昼間にどれだけ動いているか、そして夜に身体と頭が本当に休める状態になっているか
まで見ることが大切です。