首・肩の緊張、身体から見直すポイント
こんにちは。整体院しん院長の今井です。
「グルグル回るわけではないけれど、なんとなく身体がふわふわする」「歩いていると足元が安定しない」「頭がぼーっとして、自分の身体じゃないような感じがする」
めまいというと、景色や天井がグルグル回るような症状をイメージする方が多いと思います。しかし実際には、このようなふわふわ感やふらつき、ぼーっとする感覚を訴えて来院される方も少なくありません。
こうした症状にはさまざまな原因が考えられますが、その一つとして考えておきたいのが血圧や血流の調節です。
私たちの身体は、立ち上がったり歩いたりして姿勢が変化しても、脳への血流が大きく変化しないように調節しています。この調節に関わっているものの一つが自律神経です。
自律神経は血管を収縮・拡張させるなど、身体の状態に合わせて血圧を調節する働きに関わっています。その調節がうまくいかない場合、立ち上がったときなどに血圧を保ちにくくなり、ふらつきやめまいを感じることがあります。
ただし、「ふわふわする=自律神経が原因」というわけではありません。めまいには耳の病気、貧血、薬の影響、循環器系や神経系の問題など、さまざまな原因があります。繰り返す場合や症状が強い場合には、まず医療機関で原因を確認することが大切です。
そのうえで、私が日々の施術をしていて一つ感じていることがあります。
これは「首が硬いとめまいになる」と医学的に一律に言える話ではありませんが、ふわふわするめまいやふらつきを訴える方に、首から肩、肩甲骨周辺の強い緊張がみられるケースが少なくないということです。
特に首の付け根から肩甲骨にかけてガチガチに固まっていて、背骨そのものの動きも小さくなっている方がいます。東洋医学には「頭寒足熱」という考え方があります。文字通り、頭は涼しく、足元は温かい状態をよしとする考え方です。
実際に身体をみていると、ふわふわ感を訴える方の中には、足先は冷たいのに頭や顔周りには熱感があり、首周辺も強く緊張している方がいます。これもすべてのめまいに当てはまるわけではありませんが、私は身体全体の状態を確認するときの一つのポイントとしてみています。
そして、この時期にもう一つ考えておきたいのが季節の変わり目です。
朝晩と日中の寒暖差が大きくなったり、天候によって気圧が変化したりすると、身体はその環境に合わせて調節を続けなければなりません。こうした気温や気圧の変化は自律神経にも影響すると考えられており、季節の変わり目には頭痛やめまい、だるさなどの不調が現れることがあります。
では、ふわふわする感じがあるとき、自分では何ができるのでしょうか。
私がまず大切だと考えているのは、無理に身体を動かすことではなく、「地に足がついている感覚」を取り戻していくことです。
ふらついているときは、「何とかしなきゃ」と首をグルグル回したり、強くストレッチしたりしたくなるかもしれません。しかし、症状があるときに無理に動かすと、かえって気分が悪くなることもあります。
まずは安全な姿勢で休み、症状が落ち着いていることを確認したうえで、次のようなケアを試してみてください。
① 首周りを手でやさしく温める
両手で首の付け根から肩にかけてを包み込むように触れてみましょう。
強く揉む必要はありません。手の温かさを感じながら、ゆっくり呼吸を続けます。温かいタオルを使う方法もありますが、私は施術の経験上、まず自分の手でやさしく触れる方法をおすすめしています。
② 四つん這いで背骨をゆっくり動かす
症状が落ち着いていて、四つん這いになってもふらつかない場合に行います。
四つん這いになり、背中をゆっくり丸める、戻すという動きを繰り返します。ポイントは大きく動かすことではなく、首の付け根から肩甲骨、背骨が連動して動いていることを感じること。
めまいが強くなる場合は、すぐに中止してください。
③ 左右にゆっくり寝返りをする
意外かもしれませんが、私は寝返りも身体を整えるための大切な動きだと考えています。
仰向けから右へ、中央へ戻って左へ。これを無理のない範囲でゆっくり繰り返します。身体の左右を交互に動かすことで、背骨やその周囲の筋肉をやさしく動かすことができます。
ただし、寝返りによって強い回転性のめまいが出る場合には無理に続けないでください。
そして最後に、最も大切なことがあります。
めまいは「ふわふわするか」「グルグル回るか」だけで、原因や緊急性を判断することはできません。
耳の奥の問題で起こるめまいもあれば、血圧など循環の問題、まれには脳の病気が隠れていることもあります。特に、突然の強いめまいに加えて、ろれつが回らない、手足や顔のしびれ・麻痺、意識がおかしい、今までにない激しい頭痛などがある場合には、セルフケアをせず、速やかに救急要請を含めた医療機関への受診が必要です。
一方で、検査をして大きな異常はないけれど、「なんとなくふわふわする」「足元が安定しない」「頭がぼーっとする」という不調が続いている方もいます。
そのような場合には、症状だけを見るのではなく、首や肩の緊張、背骨の動き、呼吸、睡眠、身体の冷えなども含めて、身体全体を見直してみることも一つの方法です。
「めまいだから頭や耳だけ」と考えるのではなく、今、自分の身体がどんな状態になっているのか。
そこから一緒に考えていくことが、繰り返すふわふわ感を見直すきっかけになるかもしれません。