巻き肩を肩だけで治そうとしていませんか?
こんにちは。整体院しん院長の今井です。
「巻き肩」と「猫背」、この2つは同じようなものだと思っている方も多いのではないでしょうか。実際、巻き肩と猫背はセットで起こることも多いのですが、厳密には少し違うことを知ってましたか?
猫背というのは、主に背骨、特に胸椎が丸くなった状態です。一方で巻き肩は、背骨の状態にかかわらず、肩が本来の位置より内側へ巻いている状態をいいます。
よく整体をしていて見られるのは、肩甲骨に対して腕の位置が前方へ移動して、肩関節が内側へ巻いているケースです。では、なぜこのような状態になってしまうのでしょうか。
実は巻き肩は、肩や腕だけの問題ではありません。背骨の状態とも非常に関係が深く、猫背とセットで起こるケースが多くあります。
背骨が丸まって前傾姿勢になってくると、体全体に対して腕が前に位置するようになります。すると肩関節も自然と内側へ巻きやすくなります。つまり、背骨が丸くなる→腕が前へ出る→肩が内側へ巻くという流れが起こるわけです。
ここで問題になってくるのが「腕の重さ」です。腕って、意外と重たいんですよね。女性の平均では約3キロ程あります。本来は腕を支えるさまざまな筋肉がバランスよく働くことで、その重さを効率よく支えています。
ところが巻き肩になると、そのバランスが崩れてしまいます。その結果、腕の重さを支えるために一部の筋肉が必要以上に頑張らなくてはいけなくなります。
巻き肩の方を実際にみていると、肩甲骨の外側や、肩から二の腕にかけての筋肉が張っているケースがよくあります。肩周辺の筋肉に負担が集中してしまうことで、肩こりや首こりにつながることが非常に多いです。
さらに巻き肩で大きな問題になるのが、身体の運動効率が悪くなることです。
「運動効率」と言われても、少し分かりづらいかもしれません。簡単にいうと、力が入りづらくなったり、体全体の力をうまく伝えられなくなったりするということです。
ここで一度試してみてください。
☆手のひらを下向き(巻き肩)と横向き(正常)でバンザイをしてみましょう。巻き肩の状態の方が動かしにくいと思います。
☆少し前かがみになって背中を丸め(猫背+巻き肩)、その状態で両手をバンザイしてみましょう。おそらく、腕が耳の横までスッと上がりにくいと思います。
次に背筋を伸ばして、胸を軽く張った状態でもう一度バンザイしてみてください。先ほどより腕が上がりやすくなる方が多いと思います。
これが背骨と肩の関係です。
肩そのものに大きな問題がなくても、背骨の状態が変わるだけで肩の動きや周囲の筋肉の使われ方は変化します。そのため、巻き肩だからといって肩だけを揉んだり、肩だけをストレッチしたりすればいいとは限りません。
また、巻き肩になると重心も前方へ移動しやすくなります。本来の姿勢より前のめりになることで、腰や膝などにも余計な負担がかかることがあります。
そのため巻き肩は、肩こりや首こりだけではなく、腰痛や膝の負担など、ほかの慢性的な症状ともつながっていることがあります。
当院でも巻き肩の方をみる場合、肩だけを施術することはほとんどありません。お尻周りや脚なども含めて全身のバランスを確認していきます。
下半身を含めて体全体が整ってくると、腕の余計な力が抜けて、自然と姿勢が整いやすくなるケースも多いからです。
そして、もう一つ知っておいてほしいのが呼吸との関係です。
巻き肩になり、体が前に丸まった姿勢が続くと、胸郭が動きにくくなって呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅い状態が続けば、リラックスしづらくなり、自律神経にも影響する可能性があります。
「なんとなくだるい」「疲れが取れない」「気分がスッキリしない」といった不調がある場合も、姿勢や呼吸の状態を一度確認してみるのはおすすめです。
では、巻き肩を改善するためにはどうすればいいのでしょうか。
ポイントは、肩だけではなく背骨の位置も整えていくことです。
まず試してほしいのが、ストレッチポールを使ったセルフケアです。ストレッチポールがない場合は、バスタオルを丸めたものでも構いません。
① ストレッチポールまたは丸めたバスタオルを背骨に沿わせ、その上に仰向けで寝ます。
② その状態で両腕を大の字に広げます。
このとき、胸や肩、腕の前側などに「張っている」「伸びている」「左右で違う」といった感覚がないか確認してみましょう。
③ 張りを感じるところを無理のない範囲でゆっくり伸ばします。
痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。呼吸を止めず、リラックスしながら行うことがポイントです。
巻き肩は、単純に「姿勢が悪く見える」というだけの問題ではありません。肩や首への負担だけでなく、体の動かしやすさや重心、腰や膝への負担、さらには呼吸にも関係してきます。
だからこそ、肩だけを見るのではなく、背骨・肩甲骨・胸郭、そして下半身まで含めて体全体を見ることが大切です。
姿勢をきれいにしたいという方はもちろんですが、「もっと楽に体を動かしたい」「毎日を快適に過ごしたい」という方も、まずは自分の肩がどこにあるのか、一度チェックしてみてください。