その姿勢は本当に良い姿勢ですか?

こんにちは。整体院しん院長の今井です。
「正しい姿勢」という言葉を聞くと、背筋をピンと伸ばした真っ直ぐな姿勢を思い浮かべる方が多いと思います。解剖学的には、耳・肩・骨盤・膝・くるぶしが一直線になっているのが良い姿勢とされています。でも、実はその姿勢をずっと保つことが、本当に「体にとって良い姿勢」とは限らないのです。
たとえば、「猫背にならないように背筋を伸ばさなきゃ」と、ずっと良い姿勢を意識していると、背中や肩、腰に力が入りすぎてしまい、逆に痛みが出ることもあります。
特に高齢の方に多いのが、「姿勢が悪くなるのは嫌だから」と無理に背筋を伸ばそうとして、腰に負担をかけてしまうケースです。その結果、腰痛や脊柱管狭窄症など、かえって体を痛めてしまうことも少なくありません。
では、本当に良い姿勢ってどんな姿勢なのでしょうか?
それは、「体への負担が少ない姿勢」だと、私は考えています。見た目の綺麗さや、教科書通りの姿勢だけを追い求めるのではなく、日常の動作の中で無理なく動けて、疲れにくく、痛みが出にくい姿勢が、体にとって一番良い姿勢です。
そのためには、「真っ直ぐでい続けること」よりも、「いろんな姿勢が取れること」の方が大切です。背骨を曲げることもできるし、伸ばすこともできる。体をひねったり、横に倒したり、いろんな方向に自由に動かせることが、良い姿勢のポイントになります。
よく見かけるのが、腰が丸まっている方。このような方は「腰を伸ばせない状態」になってしまっているんですね。曲げっぱなしで戻れなくなっている。これは、体の柔軟性や動きの自由がなくなっていて、負担を一箇所にため込んでしまっているのです。
逆に、姿勢が自由に変えられる人は、体のどこかに負担が集中したときに、それを別の動きで「逃がす」ことができます。これを「いなす」と言ったりもします。たとえば、長時間前かがみで腰が疲れてきたら、少し体をひねったり、伸ばしたりして、他の場所に負担を分散させることができる。これが本当の意味での「良い姿勢」であり、健康な体の秘訣なんです。
だから、正しい姿勢=ずっと真っ直ぐ、ではありません。むしろ、「いろんな姿勢が取れる」「動きに柔軟性がある」ことこそが、体にとって負担が少なく、楽に過ごせる良い姿勢だということを、ぜひ知っていただきたいと思います。
見た目ばかりの姿勢を追いかけて、体がガチガチになってしまうより、少し気楽に、自分の体がどう動けているかに目を向けてみてくださいね。あなたの体にとっての“良い姿勢”は、意外ともっと自由で、楽なものかもしれませんよ。
自分の健康は自分で守る。
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