頭痛薬が効かないのはなぜ?

「また頭が痛くなってきた……」
そう思ったとき、いつの間にか薬に手が伸びていませんか?
痛みを少しでも早く和らげたい、そんな気持ちはとてもよくわかります。
でも、薬を飲んでもあまり効かない、すぐにまた痛みが戻ってくる――
そんな経験を繰り返している方は、もしかしたらその頭痛、“薬では届かない原因”が潜んでいるかもしれません。
今日は整体的な視点から、「薬が効かない頭痛の本当の理由」と「改善のためにできること」をやさしく解説していきます。
痛みを感じにくくするだけの薬。その限界とは?
一般的な頭痛薬(ロキソニン・イブ・バファリンなど)は、
炎症をおさえたり、痛みの伝達物質(プロスタグランジンなど)をブロックすることで、「痛みを感じにくくする」役割を果たしてくれます。
ですが、薬が効くのはあくまで「症状」に対してであって、痛みの原因そのものにアプローチしているわけではありません。
たとえるなら、火事の煙を消しているだけで、火元はまだ燃え続けている状態。
その火元――つまり「頭痛の根本的な原因」が変わっていない限り、薬を飲んでも再び痛みが出てきてしまうのです。
頭痛を引き起こす“無意識のクセ”とは?
頭痛の根本的な原因として、整体の現場でよく見られるのが、**心と体に染みついた“無意識の緊張のクセ”**です。
そのクセは、大きくわけて2つの方向から影響を及ぼしています。
① 頭痛を引き起こす「思考パターン」
たとえば、こんな思考に心当たりはありませんか?
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なんでもきちんとやらなきゃと思ってしまう
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人の目が気になって、いつも気を張っている
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常に何かに追われていて、気持ちが休まらない
こういった思考は、無意識のうちに筋肉の緊張を生み、呼吸が浅くなり、首や肩にも力が入りやすくなります。
心の緊張は、身体の緊張とつながっているのです。
筋肉が長時間緊張状態にあると、血流は悪くなり、脳に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
その結果、慢性的な頭痛や、重だるさ、集中力の低下といった不調が起こりやすくなってしまうのです。
② 首のクセが生む“ゆがんだ習慣”
もうひとつ注目したいのが、「身体の使い方のクセ」です。
たとえば、スマートフォンを見るときの姿勢。
何気なくスマホを見るとき、顔を少し右にひねった状態で見ていませんか?
または、首を傾けて見るクセがついていませんか?
このような“ねじれた首の姿勢”が習慣になると、左右の筋肉のバランスが崩れ、片側の血流が悪くなりやすくなります。
それがきっかけで、片頭痛や緊張型頭痛を引き起こすケースがとても多いんです。
首は、頭への血流や神経の通り道。
そこに負担がかかるということは、常に頭に負荷がかかっている状態とも言えます。
つまり、「姿勢のクセ」が、知らず知らずのうちに“頭痛をつくる習慣”になってしまっているのです。
緊張をゆるめる第一歩は「気づくこと」から
頭痛薬では届かない“無意識のクセ”をゆるめていくには、まず自分自身の緊張に気づくことが大切です。
たとえば、5分だけ目を閉じて自分の呼吸や体の力みに意識を向けてみる。
ゆっくりと首や肩を動かしてみて、動きにくい・詰まっている場所を感じてみる。
姿勢を整えてスマホを正面で見る習慣を意識してみる――。
こうした“感覚への気づき”が、少しずつ緊張をほどくきっかけになります。
しかし、長年しみついたクセは自分ではなかなか気づきにくいものです。
だからこそ、整体などのプロの視点を借りることがとても大切です。
姿勢や筋肉の緊張状態、体の使い方、さらには呼吸や思考のクセまで含めて丁寧にみていくことで、薬に頼らず本来のバランスを取り戻すサポートができます。
ただ筋肉をほぐすのではなく、「なぜそうなってしまったのか?」という原因を一緒に探しながら整えていく――それが、本当にラクになるための第一歩です。
薬を飲んでも改善しない頭痛に悩んでいるなら、一度、自分の内側に目を向けてみてください。あなたの頭痛を変えるヒントは、思っているよりも近くにあるかもしれません。
自分の健康は自分で守る。
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