肩の痛みと手首の意外な関係

五十肩と聞くと、多くの方が「肩が上がらない」「夜になると痛みで眠れない」という症状を思い浮かべると思います。実際、五十肩は中高年に多く見られ、日常生活のちょっとした動作さえ辛くなることがあります。
そんな五十肩ですが、皆さんが一番気になるのは「なぜ肩が痛くなるのか」という原因の部分ではないでしょうか。多くの方が「肩が痛いんだから、原因も肩にあるに違いない」と考えがちです。でも実際は、肩そのものだけが原因ではないことがとても多いのです。
今日は、その意外な原因やケアのポイントについてお話ししていきます。
まず意外に感じるかもしれませんが、内臓の疲れも肩の動きに影響します。例えば肝臓や胃などの臓器が疲れて硬くなると、その周りの筋膜や筋肉も引っ張られるような状態になり、体幹の動きが制限されやすくなります。
体をひねったり、曲げたりする動作は実は内臓の柔軟性とも関係が深いんですね。内臓が硬くなると体の動きが小さくなり、その分、肩や腕の動きでカバーしようとします。こうして肩ばかりが頑張らされる状態が続くと、結果的に肩関節に大きな負担がかかり、痛みや可動域制限につながっていくのです。
もう一つ大きな盲点が「手首」の動きです。肩こりや五十肩の相談に来られる方の多くは、肩や首のマッサージには通ったことがあっても、手首のケアをしたことがある方はほとんどいません。
しかし、手首の筋肉や腱は腕から肩までしっかりとつながっており、手首が硬くなることで肩の動きが制限されることはとても多いのです。特にデスクワークやスマホの操作で手首が固定される時間が長い方は、手首の筋肉がカチカチになっていることが多いです。
手首の柔軟性が失われると、腕や肩の動きがスムーズに連動しなくなり、結果的に肩ばかりに負担が集中してしまいます。これが長く続くと肩関節の炎症や可動域の低下につながり、五十肩の症状を悪化させることもあります。
多くの方が五十肩の痛みを感じると、まずは肩をマッサージしたり、ストレッチをしたりします。もちろんそれも大事なケアの一つですが、原因が肩以外の部分にある場合、肩だけをケアしてもなかなか改善しにくいことが多いのです。
特に手首や肘の動き、そして体幹や内臓の柔軟性まで含めて全体を見ていくことが、肩の負担を減らし、根本的な改善につながります。
では、実際にどんなケアが有効なのか。特におすすめしたいのが、手首のセルフケアです。
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手首回し:肘を曲げ、手のひらをグーにしたまま手首をゆっくりと大きく回します。外回し・内回しをそれぞれ10回ずつ。
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手首のストレッチ:片手の指先をもう一方の手で押さえ、手首を反らすようにストレッチします。反対方向にも同じように伸ばしましょう。
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指先のマッサージ:指1本ずつを軽く引っ張るようにして、指先から手のひらまで血流を促します。
これらのケアを1日数分取り入れるだけでも、手首の柔軟性が少しずつ回復し、肩の負担が減っていきます。
五十肩の痛みは、肩そのものの問題だけではなく、内臓の疲れや手首・肘の硬さなど、体の他の部分とのつながりの中で起きていることが多いです。
肩ばかりに目を向けるのではなく、手首や体幹の柔軟性にも意識を向けてケアしていくことで、より早い回復や予防につながります。特に手首のケアは見落とされがちですが、とても効果的です。
五十肩で悩んでいる方は、ぜひ今日から手首回しやストレッチを試してみてください。肩の動きが少しずつ楽になっていくのを感じられるはずですよ。
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